2011年9月16日金曜日

映画三昧ひねくれ鑑賞2「ツリー オブ ライフ」

「ツリー オブ ライフ」
原題/The Tree of Life
製作/2011年
上映時間:138分
監督/テレンス・マリック
脚本/テレンス・マリック
出演/オブライエン: ブラッド・ピット
ジャック: ショーン・ペン
オブライエン夫人: ジェシカ・チャステイン
祖母: フィオナ・ショウ
若きジャック: ハンター・マクラケン
R.L.: ララミー・エップラー
スティーヴ: タイ・シェリダン
鑑賞日9月15日
建築家とBBCネイチャー、ナショナルジオグラファンは見ておいた方が良い?!
建築家には アメリカの住宅建築と、現代建築のレビューに最適。(ただし20分くらい)
大自然ファンには、どこからどこまでがCGなのか分からない地球誕生の映像に感嘆することだろう。(ただし25分くらい)
ブラピ、ショーンペン ファンはあまり期待しない方が良い。でもブラピも役の幅広げたなと感心した。ショーンペーンは重要な役柄なのに今ひとつなのが残念だ。


全体を通して、キリスト教叙事詩テレンス・マリック風に仕上がっている。ストーリー理解ではなく、受け止めるしかない圧倒的映像世界が90%を占める。
カンヌ国際映画祭での初演時には拍手喝采とブーイングも同時に起こり、レビューは賛否二分したが、最終的にパルム・ドール賞をテレンス・マリックが受賞した。
美術作品にも言えることだが、予備知識無くても鑑賞できる作品と、予備知識が無いと(辛い)作品がある。また背景となる知識があると(さらに)作品の奥行きが広がるものもある。
「ツリー オブ ライフ」は、アメリカ人にどう受け止められたのだろうか?また、ヨブ記に始まる旧約聖書がちりばめられたキーワードを日常の「ユダヤ教徒」「キリスト教徒」はどう感じたのだろうか。二三度見なくては分からないが、一度見れば十分と感じる人も多いだろう。
この作品は予備知識に関心が無い人には「一度は見ておいた方が良い」寝ても良いから。予備知識を探りたい人は、十分に宿題を一杯与えてくれる作品だ。
ネタばれになるかもしれないが、「宿題」の一部を
■City of Waco のDDT散布
1950年代の郊外住宅がメインの舞台となる。場所は、アメリカ合衆国テキサス州中部、マクレナン郡の郡庁所在地であるウェーコ。この街、監督の故郷というだけではない歴史を持つ街だ。
ジョージ・W・ブッシュ前大統領時代は「西のホワイトハウス」と呼ばれたウェーコ。1916年に知的障害を抱えた10代のアフリカ系アメリカ人が白人女性殺害の容疑で有罪と宣告されたことをきっかけに、暴徒(殆どの白人系市民)により裁判所から引きずり出されて火あぶりになった「ウェーコの恐怖」と名付けられた事件で世界的に有名になった街。現在でも人種差別が底流にながれている地域だ。
■ヨブ記
映画の冒頭、旧約聖書のヨブ記38章の4節「わたしが大地を据えたとき おまえはどこにいたのか」と、7節「そのとき、夜明けの星はこぞって喜び歌い 神の子らは皆、喜びの声をあげた」が引用される。ヨブ記の全体構成のなかでこの38章は重要な位置になっている。悪魔と私(ヨブ)の対話から始まり、問いを重ねていく。そして神への問いに対し神が答える転換点がこの章である。
■グランドゼロ
一回しか見ていないので、これは見間違いの可能性もあるが、ニューヨークで建築家として活躍する(ジャック=ショーンペーン)はグランドゼロ近くの現場か、それに関わっているか?とにかく 高層階に昇るシーンと降りるシーンが印象的だった。911が背景にあることは恐らく間違いないだろう。
■アーメーン
「アーメーン!」の意味は(そのとおり!)考えてみれば、南無阿弥陀仏も(そのとおり)って感じですよね。
輪廻のような、ベンジャミンバトンのような、2001年のような 
■ツリー オブ ライフ
タイトルからして「生命の樹」、まさにアダムとイヴが追放されたエデンの園にそびえる大樹のことを示すから 今後のキリスト世界はどうなっていくのか?といった問いなのかもしれない。
■スメタナ モルダウ
贅沢にも「わが祖国」の「モルダウ」を一楽章まるまる使っている。スメタナ大好きな私にはこの上もない『お贅沢」大画面に広がる光景とあのサビが流れるなんてね。震えが来ました。よくぞここに使ってくれた!

0 件のコメント:

コメントを投稿